Biosci. Biotechnol. Biochem., 65(12), 2735, 2001
CH-19 Sweet という非辛味トウガラシに含まれる capsiate が、
- エネルギー代謝
- 脂肪蓄積 にどのような影響を与えるかを、マウスで 単回投与 と 2週間投与 の両面から評価した。
実験1:単回投与(10 mg/kg)
1. 酸素消費量の増加
- カプサイシン群・capsiate 群ともに 酸素消費量が有意に増加。 論文では「oxygen consumption was significantly higher in the capsaicin and capsiate groups」
- カプサイシンは30–60分後、capsiate は約2時間後にピーク(吸収速度の違いが示唆)。
2. 血中アドレナリンの上昇
- カプサイシン:投与30分後に上昇
- Capsiate:投与1時間後に上昇 「serum adrenalin concentration was significantly higher…」
3. 脂質代謝マーカーの変化
- トリグリセリド:低下(1–2時間後)
- FFA:上昇(1時間後)
- 血糖:上昇(3時間後)
→ 交感神経刺激による脂肪動員とエネルギー代謝亢進が示唆。
実験2:2週間の連続投与
1. 体重
- カプサイシン群・capsiate 群ともに 体重増加が抑制傾向(有意差は弱い)。
2. 食事摂取量・臓器重量
- 食事量・主要臓器重量に差なし → 毒性や摂食抑制ではない。
3. 白色脂肪組織の蓄積抑制(主要結果)
- 精巣上体脂肪(epididymal fat) → カプサイシン群、capsiate 10 mg/kg 群で有意に減少
- 腎周囲脂肪(perirenal fat) → カプサイシン群、capsiate 50 mg/kg 群で有意に減少 「fat accumulation of white adipose tissue was clearly diminished」
4. 用量反応
- 10 mg/kg と 50 mg/kg で 効果はほぼ同等
- 2.5–5 mg/kg では効果が弱い(著者の予備実験)
結論
- 非辛味性カプサイシン類似体 capsiate は、カプサイシンと同様に ① 交感神経刺激(アドレナリン上昇) ② 酸素消費量の増加(エネルギー代謝亢進) ③ 白色脂肪組織の蓄積抑制 を示した。
- 辛味がないにもかかわらず、カプサイシンと同等の抗肥満作用を示す点が最大の特徴。
- Capsiate は VR1(TRPV1)受容体を介して作用する可能性が示唆。 著者は「the effect of capsiate was mediated by the vanilloid receptor」と述べている
- ただし、capsiate とカプサイシンでは吸収速度が異なるため、作用発現時間に差がある。
<PRC>動物を使った実験でもヒトの結果を裏付ける結果が得られていますが、投与量と効果の関係で一貫性があるかどうかがポイントですね。後の論文でカプシエイトは経口摂取しても分解して循環血中にはほとんど入らない(だから非常に安全)ということなので、吸収される前に効果が発揮されているはずです。ヒトと動物の経口摂取後の消化管内の濃度や、受容体の局在などが一貫して説明できると素晴らしいですね。
