Biosci. Biotechnol. Biochem., 65(9), 2033-2036, 2001
研究背景・目的
唐辛子に含まれるカプサイシンはエネルギー消費や体温上昇を促進することが知られているが、強い辛味のためヒトでの継続摂取には制限がある。本研究は、辛味を示さない赤トウガラシ品種「CH‑19 Sweet」(非辛味カプサイシン類似物質「カプシエイト」を含有)が、ヒトにおいて体温および酸素消費量(エネルギー消費)を増加させるかを検証することを目的とした。
方法
- 被験者:健常な日本人男女11名(21–32歳)
- 介入:CH‑19 Sweet摂取群と、カプサイシン・カプシエイトを含まない対照(California‑Wandar)摂取群
- 投与量:体重1 kgあたり0.1 g
- 測定項目:
- 中核体温(鼓膜温)
- 体表温(額、首、手首;赤外線サーモグラフィ等)
- 酸素消費量(間接熱量測定)
- 解析:二元配置反復測定ANOVAおよびt検定
主な結果
- 中核体温:CH‑19 Sweet摂取後、対照群より有意に高値(摂取後10–60分)。
- 体表温:額・首・手首の温度が有意に上昇(特に首は時間×処置で強い有意差)。
- 酸素消費量:CH‑19 Sweet群で有意に増加。
- 呼吸商:両群で差はなく、基質(脂質/糖質)配分の変化よりも総エネルギー消費の増加を示唆。
考察・結論
- CH‑19 Sweetの単回摂取は、辛味を伴わずに体温上昇とエネルギー消費(熱産生)を増加させた。
- 効果は主成分カプシエイトによる可能性が高く、カプサイシンと同等の代謝促進効果を、辛味なしで得られる点が重要。
肥満対策や機能性食品素材としての応用可能性が示唆される。
